۲۸
آبان

オールドボーイ パク 手 4

2003年 第24回 青龍映画賞  監督賞(パク・チャヌク)、             主演男優賞(チェ・ミンシク)、             助演女優賞(カン・ヘジョン)2004 第41回 大鐘賞映画祭 監督賞(パク・チャヌク)             男優主演賞(チェ・ミンシク), 評価 4.5★★★★☆●2003年製作●上映時間120分●原作:土屋ガロン作、嶺岸信明画「ルーズ戦記 オールドボーイ」(1997年双葉社)●監督 パク・チャヌク●脚本 パク・チャヌク、ファン・ジョユン、イム・ジュンニョン●出演主人公オ・デス(チェ・ミンシク)イ・ウジン(ユ・ジテ)ミド、日本料理店地中海の補助料理人、テスの娘(カン・ヘジョン)ハン室長、イ・ウジンの部下(キム・ビョンオク)ノ・ジュファン、デスの親友(チ・デハン)自殺男(オ・グァンノク)乞食(イ・デヨン)パク・チョルウン、監禁部屋経営者(オ・ダルス)ヒョンジャ、催眠術師(イ・スンシン)イ・スア、ウジンの姉(ユン・ジンソ)学生テス、サンノク高校(オ・テギョン)学生ウジン、サンノク高校(アン・ヨンソク)学生チュファン<イ・ジュファン>、サンノク高校(ユ・イラン)時計屋のおばさん(イ・ヨンヒ)ヨンジャ、水車<ムルレバン>美容室(パク・ミョンシン) 他, あらすじオ・デス(チェ・ミンシク)はどこにでもいるサラリーマンだ。ある晩、警察に厄介になるほど悪酔いしたテスは、親友のジュファン(チ・デハン)に引受人として来てもらう。その日は娘ヨニの誕生日だった。しかし、テスは公衆電話からヨニに電話した後、忽然と姿を消してしまう。あの夜からテスは、監禁部屋にずっと軟禁され、一歩も外に出ることが出来なかった。テスが監禁されている間、何者かに妻は殺され、なんとテスは妻を殺した殺人犯として指名手配されていた。絶望したテスは数度の自殺未遂や脱走を試みたが、いずれも成功することはなかった。拉致された日から15年経ったある日、テスは突然解放される。目を開けると、ビルの屋上にトランクに入れられて放置されていた。久しぶりの自由な空気に戸惑うテス。ふと、生きた海産物が食べたくなり地中海という日本料理店に足を運ぶ。そこで突然気を失い、意識を取り戻すと、店の補助料理人のミド(カン・ヘジョン)の部屋で介抱されていた。甲斐甲斐しくテスに尽くしてくれるミド。年の離れたミドだが、その献身的な愛情に少しずつテスは癒されていく。テスは自由になったが、常にだれかに見張られていることを感じていた。新しく人生を始めようとは思わなかった。自分を15年も監禁し、妻を殺し、娘を連れ去った犯人をつきとめ復讐することしか考えなかった。一体自分が何をしたというのか。15年も監禁し、今解放した理由は何なのか? 復讐する前に、犯人をつかまえて理由が聞きたかった。すぐにテスは自分を監禁した犯人を知ることになる。主犯は、イ・ウジン(ユ・ジテ)。ミドがチャットでたまに交流していたチャット相手、エバーグリーンで検索すると、「エバーグリーン、オールドボーイ(同窓生)、サンノク高校」と出てきた。高校のアルバムを調べると、なんとウジンはテスの高校の後輩だったことが分かる。単なる点が線となって表された。ジュファンがIDエバーグリーンの住所を突き止めた。テスがその住所を訪ねていくと、ウジンがそこでテスを待っていた。ウジンはテスにゲームを提案する。5日間の内にテスが監禁された理由を明らかにすること。もしも明らかにできなければ、愛するミドを殺す。しかし、明らかにできれば自分は死んであげると。テスは5日間を必死になって人生最大の謎解きに走る。彼は愛するミドを守りきることができるのか!? 15年の復讐を遂げることができるのか? 鬼才パク・チャヌク監督が問いかける復讐シリーズ第2弾。人は人にたいしてこれほどまでに執念深く残酷になることができるのか?! 復讐を果たすことで人は幸せになれるのか?!  ・・, ・※この先は、ネタバレが含まれます。未だ御覧になっていない方は、読まないことをお勧めします。・, パク・チャヌク砲! 今みてもたしかにすごい。16年前はあまりの衝撃に心がぶっ飛んで夜も眠れなかったのを覚えている。人間を究極まで追い詰めるこんなすごい映画、日本じゃ見たことなかったから。原作は日本の漫画「ルーズ戦記 オールドボーイ」だそうだが、漫画は守備範囲外なので読んではいないが、パク・チャヌク監督のすばらしさは、ストーリー展開のキレキレはもとより、映像による表現力が飛びぬけて優秀なことは明らかなので、比較しなくても映画だけで十分語れるだろう。・, 主演を務めたチェ・ミンシクは、本作で青龍映画賞(2003)と大鐘賞映画祭(2004)の両方で見事男優主演賞を受賞を果たしているが、チェ・ミンシク出演作品でこれほど圧巻の演技力に比類する作品はないと言えるだろう。15年の監禁生活を、驚き→あがき→発狂→完全喪失→いや諦めない!→体鍛える!復讐してやる!→驚愕→赦しを乞う→平安へ というありえない感情の大波を見事に演じている。ぞくぞくするほどすばらしかった。, この映画は、120分間見事にチェ・ミンシクの一人舞台だ。彼が出てないシーンはほとんどない。泣いたり怒ったり、走ったり食ったり殴ったり刺したりと、あらゆる能動的な動詞を、あらゆる感情でもって表現しまくったのが彼であり、その意味でこの映画は彼のファンにとってはたまらない一本だろう。人一倍出番が多かった分、撮影も過酷を極めたと聞く。ぶっ倒れながら撮影に臨んだというチェ・ミンシクの頑張りをほめたたえたいと思う。, 一つ注文をつけるなら、序盤に出てきた、交番で酩酊状態のやんちゃなお父さんシーンはちょっと冗長すぎるかなと思っちゃったりしたのだが、こんな迷惑な悪酔いじじーも胸糞わるいなぁと思いかけた瞬間、いきなりテスが拉致されて話ががらりと展開していくところはさすがだ。チェ・ミンシクはああいうウザイお父さん役が超はまり役だ。中年太りのでっぷりした腹に、脂ぎった顔と短い手足に加えて、比類の口汚さだ。中性的きれいを目指す韓国若手俳優のモムちゃんたちに逆行するおっさん役者を地で行くチェ・ミンシクは、たとえ役作りとはいえ、そこまで身を捨てるかと感心する。, と思いきや、格闘シーンでは身軽に飛んだと思ったらキレのある蹴りを入れたりと、格闘技慣れした構えや重心の低さに驚かされる。チェ・ミンシク、あなどれないおっさんファイターだった。, 彼がトンカチを振り上げたワンシーンはあまりにも印象的だ。15年の恨みをすこぶる感じる渾身のワンカットである。この映画を観て以来、トンカチを見る度にチェ・ミンシクのおっかない顔を思い出してきた。パク・チャヌク監督、責任をとってもらいたい。・・, なにしろ、この映画のはじまりがすばらしくしびれる!屋上で自殺志望の男(オ・グァンノク)のネクタイをつかんだところで、アップビートのBGMが流れてきて、15年間ぶりに解放されたテス(チェ・ミンシク)が逆光のまま「おれの名は・・・」と始まるところなどは、これから始まる得体の知れないわくわく感に胸がばくばくさせられる。パク・チャヌク監督、映像も音楽も使う場面が最高に的を得ている。・, ・ユ・ジテの悪役ぶりも似合わなそうで似合うのが不思議だったが、ほんとうに違和感がなかった。お金持ちで頭が良くて、心臓にペースメーカーをはめているひ弱なサイコという役柄は、細身で長身のユ・ジテにぴったりだ。イ・ウジン役が知能犯でなく筋肉脳であればマ・ドンソクにキャスティングでも良かっただろうが、今回はユ・ジテ、申し分なかった!・, しかし、正直どうなのだろうか。わたしが最後まで疑問に思ったのは、復讐についてである。ウジンの積年の恨みが果たして復讐するに値するものだったのか否かということだ。映画でもミド(カン・ヘジョン)が同情していたが、テスがサンノク高校時代に、「(理科の実験室で男といちゃいちゃしている女の子を見た)名前は分からないが、お前のクラスで赤い自転車に乗ってる子だ」と親友のジュファンにぽろりと言ったことが、これほどまでにスアの弟ウジンに恨まれ15年も監禁されることになるという点が理解できない。話が荒唐無稽すぎるのだ。・, 姉のスアが噂を苦に自殺してしまったことには同情するが、それはテスが悪いのではなくテスの転校後、ジュファンが周囲に言いふらしたことからスアが精神的に病んだのであり、むしろテスは「だれかに話したら殺すぞ」とジュファンに口止めまでして転校している。しかも、いちゃいちゃしていた男が弟のウジンだったことにテスはこの時気が付いていない。よって、姉と弟が禁断の関係にあるということが周囲に知られるという最悪の展開にもなっていない。となると、テスに一体何の非があるというのだろう。わたしから見ると、イ・ウジンの異常な被害者意識こそがこの監禁事件の諸悪の根源であり、もしかすると、ウジンは姉を助けられなかったという自責の念に耐えきれずに、彼自身は仮想敵を見つけることでかろうじて生きて来れたのではないか。逆恨みをしながら生きる。さもなければ自死してしまう種類のサイコ人間がこの世には存在するのだ。恐ろしい存在理由だが。一方、真の被害者こそはオ・デスである。こともあろうことか、そのオ・デスは15年の監禁に加えて後催眠をかけられ、娘ヨニ(ミド)と肉体関係をもたされ、舌までハサミでちょん切ってしまっている。とんだとばっちり人生だろう。ウジンのテスへの最大の復讐がこの近親相姦の強制だとすれば、やはりウジンは正気の人間ではない。わたしには、パク・チャヌク監督が、このほんのちょっとした他人の仕業を針小棒大に捉えて被害者ぶって正義面するイ・ウジンを、映画を通じて大きく揶揄しているように思えてならなかった(まるでどこかの国同士の関係にも思えるのは私だけか・・・失敬)。目をつけられた生贄テスには大きく同情するが、それでも彼は最後まで生き延びられたのであり、死んだのはウジンだ。そのとおり。監督は最後、映画の中でウジンを生かさずきちんと殺している。これは、一つの明確な答えであろう(そう願う)。これだけの罪を犯したウジンは生きていてはいけないのだ。観客は、ウジンがなぜテスを恨んだのか。テスはどうして15年も監禁されたのか。なぜ今になって解禁されたのか(それは成人した娘と肉体関係をもたせるため)を解くことに最初夢中になるが、そのうちに、はて? そもそもテスはそれほど悪いことをしたのか? という当たり前の疑問に立ち返る。必然と、罪と罰を考えさせるようになっているところが、この映画の一番のおもしろさだと私は思っている。人間とは悲しい生き物だ。復讐してくる人間にたいして、やられた人間は新たに復讐してやると思って自分を構成しなおす。お互いに正義の御旗を掲げて「復讐合戦」をし合うのであり、そこには終わりがない。復讐が複数絡み合うこの作品、最初からこれといった落とし所がないのが特徴である。だとしたら、どちらかが引くしかないのである。これが現実の世界だとすれば、テスは解放された瞬間から、復讐を考えずただ立ち去るのみという選択があったはずだ(もちろんウジンがそれを許さないだろうが)。ウジンは、テスが抱いた女が自分の娘だったということを知らしめて、彼を精神的に徹底的に破壊し、最後に自死する。その後テスがどうなろうと知ったことではない。テスが自分の娘とヤったという事実を彼が知りさえすれば目的達成だったのである。テスを殺すより、生きたままその事実と向き合わせる生き地獄こそが、テスが今後負う監禁生活パートⅡの幕開けになるのであるから。ウジンが練りに練った異常ともいえる自爆テロリスト的計画に心からぞっとする。・, 後催眠という万能薬を使われると、どんな風にも映画が成り立ってしまう。そこに逃げられたのが、一番残念であった。娘ヨニが記憶を消されたのは、父テスと出会う前であろう。少なくても、日本料理店で働く前にすでに後催眠をかけられ、それ以前の記憶を忘れさせられ、彼女はストックホルムから韓国に戻ってきて、この恐ろしい芝居に登壇させられたのである。テスも同じだ。このように、簡単に登場人物の以前の記憶を消したり、付け加えたりできるのであれば、小難しい脚本作業など要らなくなる。常に、記憶を操る人間が優位に立ち、操られる人間は自分の思うような人生を送れなくなる。つまり、強者のシナリオありきでドラマチック性がなくなってしまうということだ。, 観客はそんなつまらない映画など興ざめする。こじつけでなんとでもストーリーが成り立ってしまう。後催眠という劇薬は使う時は要注意だろう。この映画はそれほどの被害はなかったものの、見終わった時、少々残念に感じた。・, 大好きなシーンがある。それは、ミドが野獣になったテスを思い切り拒否し、しょんぼりしているテスを慰めてあげている時のことだ。ミドが「そのアリ、今も出て来る?」と心配そうにテスに聞く。テスが監禁されていた時、不安と孤独でいっぱいになり、体中にアリが出てきて半狂乱になるとミドは聞いていたからだ。・, 確かに孤独にはアリがつきものね。私が会った孤独な人達は一度はアリの幻覚を見たって。アリはいつも群れで行動してるでしょ?だから孤独の人達はアリの幻覚を見るみたい私は見たことないけど・・・, わたしは、ほかでもないミド自身の淋しさが伝わってきて、この場面にはほろりと来てしまった。電車の中で一人ぽつんと座るミド。遠く離れたところに大きなアリが現れ、じっとミドを見ている。ミドは見つめ返すだけで、決して近くには行かない。一定の距離を保ったまま、ミドは再び泣き続ける。マスカラの黒液でぐしょぐしょになった顔のまま、幼子のように。まるでイソップ物語に出て来るような大きなアリだ。どこかのマスコットキャラではない。淋しさに群がるアリが今日も、淋しいと泣く人間の近くにそっと添い続ける。パク・チャヌク監督は映画にこういう挿絵のようなシーンをぽんと入れるのがうまい。それは絵本のように心に深く残る。見事な表現力だ。「私は見たことないけど・・・」, と虚勢をはるミドが切なくてとても愛おしく感じられた。どれほど催眠をかけられても、人が抱える根源的な淋しさは嘘をつけない。小さい頃から実親不在の不遇に育ったミドは、それだけで心は淋しさに叫んでいたのだ。孤独に催眠をかけることなんてできないのだ。そんなことに感動しながら、このシーン何度も振り返ってしんみりした。・・, ミドが、もしもこの歌を歌ったらデスと寝てもOKという "合図の歌" として登場したのが、このミン・ヘギョンの「会いたい人」(민해경--「보고싶은 얼굴」)だ。ミドが泣きながら歌ったからか、やけに切なく耳に残ったので調べてみたら、すごい歌手だった。, ミン・ヘギョンは、1962年生まれ。2019年現在で57才。韓国では、80、90年代、ミン・ヘギョンと聞けば知らない人はいないくらいテレビにひっぱりだこだったという。1986年~1991年の間で、なんとゴールデンディスク賞を6回も受賞している。韓国のマドンナと呼ばれた。1990年に「第10回ABU国際歌謡祭」でこの「会いたい人」を歌い、韓国人初の最優秀歌手賞を受賞する。日本でも一時期、閔海景(ミン・ヘイギョン)の名前で活動していたことがあるという。ビブラートの聞いた高音の伸びがすばらしくて聞き惚れてしまう。ダンスポップな曲が多い。・・, 韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?

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